読んだ本の感想・レビューを書いてます。お気に入りの作家は、東野圭吾・よしもとばなな・伊坂幸太郎・道尾秀介などなど他にもたくさんいます♪

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  • 2013.01.17 Thursday
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道尾秀介「月と蟹」子供ならではの残酷さと、繊細で切実な心の葛藤。直木賞受賞作!

            
評価:
道尾 秀介
文藝春秋
¥ 1,470
(2010-09-14)
コメント:子供ならではの残酷さと、繊細で切実な心の葛藤。直木賞受賞作!

第144回直木賞受賞作品。
「ヤドカミ様、僕の願いを叶えて」。行き場のない思いを込めた他愛ない儀式がやがて……。子供たちの切実な心が胸に迫る俊英の傑作!
「内容紹介」より


海辺の町に住む小学生の少年たちの悲しく切ない物語。
転校生の慎一は父親を病気で亡くし、母親と足の悪い祖父と3人暮らし。慎一はクラスに馴染めない、というか受け入れてもらえない理由があったのだ・・・。

そんな慎一の唯一の友達は、同じく転校生の春也。2人は放課後になると、川に魚や蟹を取るための仕掛けを作ったり、山を登り秘密の場所を見つけたりしながら毎日のように遊ぶ。

ヤドカリを火で炙って殻から出すことに夢中になり、そしてそのヤドカリを「ヤドカミ様」という「神様」にする儀式を編み出すようになった。

慎一に話しかけてくれる唯一の女の子、鳴海も加わり、いつしか3人で遊ぶようになっていく・・・。

父親がいない慎一、両親から虐待を受けている春也、母親がいない鳴海。小学5年生という、まるっきり子供でもなく大人でもない微妙な年齢の少年少女たち。

もやもやしたどうしようもない気持ちを抱えながら、悲しい現実をどうにか変えたいと、苦しんでもがいても何もできない無力な子供の自分。そんな鬱屈した感情が、ひしひしと伝わってきて胸がしめつけられた。

でもきっと、慎一には春也がいてくれたことが、春也には慎一がいてくれたことが、お互いの最後の一歩を踏みとどませたのだと思いたい。そしてこれからの2人が少しでも明るい未来へと向かって欲しいし、そうなる希望が見える・・・と私は信じている。

慎一の祖父が、私は好きだったな。愛する孫の慎一の変化に、おそらく母親よりも敏感に気付いていただろう。慎一にかける何気ない言葉も、自分のことを話す時も、じーんときてしまった。「慎一よ、おじいちゃんに全てぶちまけてしまえ!」と読みながら何度思ったことか。

道尾秀介の、どんでん返しとかトリックとかホラーとか、今回そういうのとは少し違う。子供ならではの残酷さとか、大人になりかけてる少年と少女の繊細な気持ちと葛藤とか、人間のやりきれなさとか、そういう物語。ラストに向けての緊張感と切なさに、泣いてしまった・・・。直木賞受賞に納得。


JUGEMテーマ:読書



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  • 2013.01.17 Thursday
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  • 23:05
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