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  • 2013.01.17 Thursday
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村上春樹「ねむり」幸せと孤独と哀しみ、人間を深く描いた“ねむりとめざめ”の物語

            
評価:
村上 春樹
新潮社
¥ 1,890
(2010-11-30)
コメント:幸せと孤独と哀しみ、人間を深く描いた“ねむりとめざめ”の物語

覚醒する新世界。目覚めつづける女の不定形な日常を描いた短編『眠り』が、21年ぶりの“ヴァージョンアップ”を経ていま再生する―ドイツ語版イラストレーション、日本版のためのあとがきを収録した、村上世界の新しい「かたち」。
「BOOK」データベースより


村上春樹の文章を読んでいるだけで幸せを感じる私は、だからすこぶる評価が甘くなる。

この「ねむり」は、「TVピープル」という小説の中の「眠り」をイラストを加えてヴァージョンアップしたもの。村上春樹は、全部読んでいる。本棚を探してみると「TVピープル」はちゃんとあったから、読んでいるはず。

けど、全くもって内容の記憶がない・・・。
ということで、改訂版だし、と思い読んでみた。


17日間も眠れない日々が続いている、30歳の主婦。歯科医の優しい夫と可愛い息子がいて、何不自由なく生活している。家事と育児とスポーツクラブやウィンドウショッピング。優雅な専業主婦としての幸せな日常を過ごし、そのことに不満もない。

それなのに、眠れなくなる。一切眠くもならず、むしろエネルギーに満ち溢れてくる。昼間は淡々と家事と育児をこなし、スポーツクラブのプールで泳ぐ。そして夜は眠れない時間を利用し、ブランデーを飲みチョコを食べ読書をしたり夜の散歩に出かけ、1人だけの有意義な時間を過ごす。

昼の生活と、夜の生活。
彼女は、どっちの生活を生きているのか、または死んでいるのか。起きているのか、寝ているのか・・・。ムダなものがなく研ぎ澄まされた文章と、村上春樹特有のラスト。これをどう解釈するかは読者にゆだねられる。


私が村上春樹を夢中になって読んでいたのは、学生だったりOLだったりの頃。いつでも眠くて刺激に溢れる毎日で、だからこの眠れない専業主婦には全く共感できずに、内容すら頭から消えていたんだろう。

でも主婦になった今、手に取るほどよく分かる。もしかしたら、この小説の中の主婦は、私かもしれない・・・と思うほどに。

私は寝つきはあんまりよくないけど、朝は起きたくないぐらいいくらでも眠れるし、家事や料理をし、習い事をしたり友達と会ったりと、何不自由なく穏やかに過ごしている。夫とケンカもせずに幸せに暮らしているし、そのことに感謝もしているし、全く不満なんてない。

でも時々思ってしまう。
「私はここで何をやっているんだろう・・・?」

ほとんど変化のない平穏な毎日。自分で選んだ生活なのに、そのことが時々よく分からなくなる。ストレスだらけで、色んなものに必死で戦っていた独身時代に戻りたいとは思わないけど、でもその時の方が生きていたんじゃないか?と、思う時がある。誰もが自分の生活について一度ぐらいは思うはず・・・だよね?

年齢や立場が変わると、こうも解釈や理解が変わってくるのか、と改めて感じたこの小説。読み返してみると、当時は気付けなかった新しい発見があるんだね。やっぱ本ってすごい!





村上春樹



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