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  • 2013.01.17 Thursday
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柚木麻子「けむたい後輩」激しくぶつかり合う女同士のエゴとプライドの世界へ・・・!

            
評価:
柚木 麻子
幻冬舎
¥ 1,575
(2012-02-24)
コメント:激しくぶつかり合う女同士のエゴとプライドの世界へ・・・!

大学で元詩人の先輩・栞子に出会い、心酔していく真実子。親友を栞子に取られたようで美里は面白くない。一方、栞子の恋人・蓮見教授は美里の美貌に心を奪われて―。女子大で入り交じる、三者三様のプライドとコンプレックス。
「BOOK」データベースより


2冊目の柚木麻子。舞台は、お金持ちのお嬢様たちが集まる女子大。

十代の頃、親のコネで詩集を出したが、今やもう何一つ作品を生み出せず、過去の栄光にすがり男にのめり込んでいる「栞子」

そんな栞子の詩集を読み、栞子に憧れ崇拝するマジメでまっすぐすぎる病弱な「真実子」

真実子の幼馴染で、女子アナを目指す努力家で美人な「美里」

この3人の女子がエゴをぶつけ合い、プライドや劣等感、優越感をさらけ出し合って成長していく姿を、痛切に描いている。自信が欲しい、認められたいと切実な思いが痛ましいほどに突き刺さってくる。

・・・という、まあ嫌いじゃない内容なんだけど。

この「栞子」がどうも好きになれないっていうか、嫌い。親の金で遊び、努力もしないで自分の才能の限界から目を背け、どうしようもない男とばっかり付き合い、そして自分は特別だという思い込みと横柄さ。そんな栞子を盲目的に崇拝する「真実子」もね、はぁ?だよ。

でもおそらく、この栞子の性格は、富と名誉を得ている偉大な父親の庇護の元、過保護にそして何でも与えられて育てられてきたことも影響していると思うし、真実子にしても、幼少期から思春期を過ごした病院の中で、栞子の詩集が心に響き、よりどころとしていたのかもしれない。

でもねー、栞子と真実子の歪んだ関係性っていうのを読むのは、本当にイライラした。まんまと作者の策略にはまってるよ!

この中で唯一まともなのが美里かな。
完璧な容姿なのに、女子アナになるために発声練習や技術を磨こうと必死に努力している美里に好感が持てる。美里が栞子のことを胡散臭く思っていることや見下していることも、とてもよく分かる。

才能がないことを見下しているんじゃない。努力していないことに、実のない夢物語ばかり語っていることに、たぶん嫌悪感を感じているんだろう。

でも、真実子はこの熱に浮かされたように栞子を崇拝した経験からこそ、成長することができたように思う。だからこそスカッとする圧巻の最後となったんだろう。こうなると栞子って哀れだなぁって思うよね。

一筋縄ではいかない、柚木麻子。
女同士の、激しいエゴとプライドの世界へ・・・!






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柚木麻子「終点のあの子」女子高生の心の葛藤が繊細に綴られ、ひりひりと胸に迫ってくる物語

            
評価:
柚木 麻子
文藝春秋
¥ 1,400
(2010-05)
コメント:女子高生の心の葛藤が繊細に綴られ、ひりひりと胸に迫ってくる物語

プロテスタント系の私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と森ちゃんは、通学の途中で見知らぬ女の子から声をかけられた。高校から入学してきた奥沢朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた彼女が希代子は気になって仕方がない。一緒にお弁当を食べる仲になり、「親友」になったと思っていた矢先…。第88回オール讀物新人賞受賞作「フャーゲットミー、ノットブルー」ほか全4編収録。
「BOOK」データベースより


初めての柚木麻子。
評判がいいので、読んでみた。初めて読む作家はわくわくする。

女子高校を舞台に、これはまさに女の世界の物語。この女子なら誰もが思い当たることが1つや2つは必ずある独特の苦い世界は、きっと男子には理解できないだろうなぁと思う。

学校という、あまりにも狭い中での階級、思春期ゆえの傲慢さやコンプレックス、羨望と嫉妬、「みんなと違う」という幼い優越感と「みんなと一緒」という根拠のない安心感。

仲良しだと思っていた関係が、あっけなく一瞬で崩れたり、逆にいきなり友情が芽生えたり。

これは連作短編集になっていて、主人公が変っていく。
好意と興味が嫉妬と怒りに変わる姿、変わりたいと思って背伸びする姿、自分のされたイヤなことを知らぬ間に自分でもしてしまっている姿、自分の見た目を気にしすぎたり気にしなかったり、そして数年が経ち、ようやく自分の間違いに気付いたり・・・。

そんな女子特有の心の葛藤が、苦しさと辛さが繊細に綴られる。女子高生を卒業してだいぶ経っている私でも、ひりひりと胸に迫ってきた。

友達って不思議だなぁといつも思う。たまたま学校やクラスが同じ、席順が近い、部活やサークルが同じ・・・。そんな偶然の出会いで、友情が一生続くことがある。おそらく、いつの間にか途切れてしまうような関係の方が多いだろうけど、その中で、どんなに環境が変化しても繋がっているものもある。

この小説の中の女子高生たちにも、そんな友情に出会って欲しいなぁ。

デビュー作なのに、素晴らしい完成度。
柚木麻子、これからも読んでみようと思います!





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