読んだ本の感想・レビューを書いてます。お気に入りの作家は、東野圭吾・よしもとばなな・伊坂幸太郎・道尾秀介などなど他にもたくさんいます♪

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  • 2013.01.17 Thursday
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  • by スポンサードリンク

角田光代「空の拳」ボクシングに魅了された熱い男たちの物語

            
評価:
角田 光代
日本経済新聞出版社
¥ 1,680
(2012-10-11)
コメント:ボクシングに魅了された熱い男たちの物語

たまたまジムにまぎれこんだ男が、練習して練習して練習しなければ強くなれない、金にもならず、命すら奪われかねない過酷な世界にのめり込む。人はおもしろい試合を見てしまうと、夢中に、暑苦しくならずにはいられない。そこは世のうつろいと無縁の時がとまった世界。まばゆい光の下で突き上げられた拳は、いったい何を掴むのか。たたみかけるようにパワフルに、ボクシングそのものを描ききった傑作長篇。
「BOOK」データベースより


角田さんの、ボクシング小説!面白かった!!

不本意ながら、「ザ・拳」に配属される文芸編集志望の空也。読書ばかりが趣味の運動音痴。ナヨナヨとし、酔うとオネエ言葉になる。(最後は女の子だった、ってオチかと思ったんだけど、さすがにそれはなかった)

そんな空也が、足を踏み入れる「くさくてうるさい」ボクシングジム。ボクシングど素人の空也の視点で、読者も一緒にボクシングの世界を知り、のめり込んでいく。

もう何年も前の話しだけど、私は実際にボクシングを後楽園ホールに見に行ったことがある。だから、小説に書かれているエレベーターを降りて入る会場の、むわっとした熱気や、スポットライトに浮かび上がるリング、観戦中やたらと喉が乾くこと・・・そんなことをはっきりと思い出した。

かつてとても人気のあったK-1も何回か観戦した。格闘技に全然興味もなく、選手も知らず、もちろんルールすら知らない。それなのにリングサイドの席に座った途端、もう目が離せなかった。どのパンチやキックが効いているのか、まるで分からない。早くて何がどうなってるのか分からない。本当に、空也の置かれている状況と全く同じ。

だからもう私は、選手の顔を見ることにした。そして、目を見ればどっちが勝つか何となく分かってくる。みなぎる闘志というか、勝つことへの執念というか、そんなものが静かにギラギラと立ち昇っている姿に、釘付けになった。

たぶん最初の観戦が、このリングサイドというラッキーといえるような席だったからこそ、私はのめり込むことができたのかもしれない。きっと実際に見なかったら、ここまで魅力を感じなかっただろう。己の体だけで戦う男の姿は、素晴らしいほどに格好がいい。

と、今回は本の感想なんだか、思い出なんだか分からなくなってしまいましたが・・・。

ボクシングだけじゃない人間模様、強さと弱さと成長していく姿、そして角田さんならではの毒・・・と、納得の一冊。でも、やっぱり映像で見たくなっちゃう。ドラマ化とかしないかなぁ。







JUGEMテーマ:読書



角田光代「月と雷」普通じゃない、かくあるべしからはみ出した人たちの物語

            
評価:
角田 光代
中央公論新社
¥ 1,470
(2012-07-09)
コメント:普通じゃない、かくあるべしからはみ出した人たちの物語

不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。ふつうの家庭、すこやかなる恋人、まっとうな母親像…「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。最新長篇小説。
「BOOK」データベースより


角田さんは、普通じゃない家族っていうのかな、そういうのを書くのがうまいよね。普通とか、こうあるべきとか、そういうことがぐらぐらと崩れ落ちる。こういう世界もきっと現実にあるんだろうな、って思ってしまう。

普通とはいえない母親に育てられた息子の智。母親の直子は、ひとつの場所に留まることができず、智を連れて日本各地を転々としながら過ごす。

そんな直子と智に、普通だった生活を一変させられてしまった泰子。大人になってから智と泰子は再会し、そしてやっぱり普通とは違う生活を始め・・・。

というような、はみ出した人たちがいっぱいの物語。
はみ出したっていいじゃん、普通って何?ってね。あまりにも異なった環境で育っている登場人物たちだから、誰にもいまいち共感はできない。できないんだけど、嫌じゃないんだよね。そしてたまに、あぁそうそう!と同意してしまうところもある。

自分が行動を起こすことによって、または起こさないことによって、少なからず誰かに影響を及ぼしてしまう。そういうのを突き詰めて考えると、ちょっと怖いよね。でも当然逆のこともあるわけで。そういうことで、世の中が成り立っているのかなぁと思うと、怖いけど面白くもあったりね。

そんなことを思ってしまった物語でした。







JUGEMテーマ:読書



角田光代「紙の月」平凡な主婦が、少しずつ歪み大きく道を踏み外し狂っていく・・・

            
評価:
角田 光代
角川春樹事務所
¥ 1,575
(2012-03-15)
コメント:平凡な主婦が、少しずつ歪み大きく道を踏み外し狂っていく・・・

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。梨花は海外へ逃亡する。彼女は、果たして逃げ切れるのか?あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代、待望の長篇小説。
「BOOK」データベースより


小説だとはもちろん分かっているんだけど、怖かった。

平凡で平和に暮らしている専業主婦の梨花は、銀行の契約社員の営業となる。美人で気立てもよく成績はすぐにトップに。マジメで正義感の強い梨花が、少しずつ、でも確実に大きく道を踏み外していく様子をひしひしと感じさせる恐ろしさは、巧いとしか言いようがない。

お金というものは、あってもなくても人を狂わせてしまう何かがあるのかもしれない。そして、あってもなくても振り回されてしまうものかもしれない。

私がもし梨花の立場だったらと思うと、共感してしまう自分もいて、少し怖い。お金をパーッと使うのって、気持ちいいもんなぁ。たいした金額じゃなくても“しまむら”とか“コストコ”で買い物するだけも、テンションあがるもんなぁ。こういう満足感や爽快感は、誰にでも経験があるはず。

そしてこの、いかにもお金にだらしがないっていうタイプの人じゃなく、マジメな人が歪み、狂っていく姿に本当の怖さを感じてしまう。

梨花の孤独が切実でね、もっと心を許せる友達がいればよかったのに、こういうタイプの男と結婚しなければよかったのに、と読みながら何度思ったことか。でも、梨花はいつでも「本当の自分はこうじゃない」と思っているから、結局のところ何をしてもしなくても、結末は同じだったのか?とも思う。

あんまりお金に振り回されないように、節約も大切だけど適度に発散して、身の丈にあった生活をするのが大事だよなぁと思ってしまいました。






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角田光代「かなたの子」怖くて哀しい、心の奥底がしんと凍る短編集

            
評価:
角田 光代
文藝春秋
¥ 1,260
(2011-12)
コメント:怖くて哀しい、心の奥底がしんと凍るような短編集

生れるより先に死んでしまった子に名前などつけてはいけない。過去からの声があなたを異界へといざなう八つの物語。
「BOOK」データベースより


角田光代は好きな作家の1人。このブログで書くのは初めてだけど、もう何冊も読んでいる。

「八日目の蝉」 「対岸の彼女」 「Presents」 「ひそやかな花園」 「三月の招待状」 「予定日はジミー・ペイジ」 「ツリーハウス」 「なくしたものたちの国」 「福袋」

読んでいるのはこんなところかな。もっとあるかなぁ?角田光代の小説は、全部じゃないけど、時にびっくりするほどはまってしまうものがある。

映画にもドラマにもなった「八日目の蝉」や、まるで絵本の世界のような「なくしたものたちの国」は、号泣してしまった。

今回の「かなたの子」は、本の表紙からしてちょっと恐い。そして内容も、結構ゾッとするものが多い。

独立した8編の短編集になっているけれど、全体に漂うものは、生と死や光と闇、あちら側とこちら側・・・。境界線が、だんだんとぼやけていく様子が何とも恐ろしく哀しい。

SFのような、でも現実にもありそうな気もして、読んでいくうちに分からなくなってくる。わざと曖昧にしている表現で、余計にざらついた不穏で不気味な余韻が残っていく。

今まで私が読んだ角田光代作品と、ちょっとテイストが違うかな。けど、こういうのももちろん嫌いじゃない。

どれも重く哀しく、心の奥底がしんと凍るような話ばかり。
その中でも「同窓会」が、一番リアルに想像できて恐かったなぁ・・・。


電子書籍
「三面記事小説」 「まどろむ夜のUFO」 「ドラママチ」 「対岸の彼女」 「太陽と毒ぐも」 「だれかのいとしいひと」 「これからはあるくのだ」 「空中庭園」


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