読んだ本の感想・レビューを書いてます。お気に入りの作家は、東野圭吾・よしもとばなな・伊坂幸太郎・道尾秀介などなど他にもたくさんいます♪

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  • 2013.01.17 Thursday
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  • by スポンサードリンク

辻村深月「鍵のない夢を見る」直木賞受賞作!誰もが陥りそうな魔が差す瞬間を描いた短編集

            
評価:
辻村 深月
文藝春秋
¥ 1,470
(2012-05-16)
コメント:直木賞受賞作!誰もが陥りそうな魔が差す瞬間を描いた短編集

普通の町に生きる、ありふれた人々がふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集
「内容説明」より


まさに読んでいる途中で、直木賞受賞の発表が。
私の中では、いまいちファンになりきれないというか、探っている状態の辻村深月。びみょーだと思いつつ手に取ってしまう作家なんだよね。

今回は、独立した短編集。
でもどの短編にも、誰もが陥りそうな危うい瞬間が描かれている。黒い心というか、落とし穴というか。

相変わらず、どうしようもないダメで嫌な登場人物が出てくるし、後味はじんわりと悪い。誰もが、もしかしたら自分もそうなってしまうんじゃないか、というぞっとするような恐ろしさがある。まさに辻村作品。

でもこの「鍵のない夢を見る」は、ちょっとパンチが足りなかったかなぁっていう印象。確かに後味は悪いし、ざらざらとした苦い感情が溢れてくるんだけども、なんていうか、結構一般受けするかもって感じ。初めて辻村作品を読む人でも、すんなりと物語に入っていけるというか。全部の作品を読んでいない私が言うのもなんだけどね。

普通にいる色んな立場の女性が抱く、魔が差して踏み外した心の中の黒い毒、みたいなのがしっかりと描かれている。普通の人たちっていうのが、余計に怖いよね・・・。







JUGEMテーマ:読書



辻村深月「スロウハイツの神様」青春群像劇・・・?いやこれは、壮大なラブストーリー!

            



人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。
「BOOK」データベースより


辻村深月って、こんなに優しい物語が書けるんだって言うのが、正直な感想。最後には、泣いてしまった・・・。

「スロウハイツ」のオーナー、脚本家の赤羽環。
人気小説家のチヨダ・コーキ。
環の高校からの親友、漫画家志望の円屋伸一。
映画監督の卵、長野正義。
漫画家の卵、狩野壮太。画家の卵、森永すみれ。

環とコーキ以外は、まだまだ夢に向かって進んでいる卵たち。現代版「トキワ荘」ってところ。圧倒的な支持を持つ小説家のコーキは、小説以外の日常生活は不器用そのもの。いつまで経っても子供のようなコーキのそのギャップと、素直な心が魅力的に書かれている。

気が強く不言実行の環。一緒に住む、ふがいない卵たちに辛辣な言葉ではっぱをかける。でもその強さの背景に、色々な悲しみや葛藤があることが少しずつ分かっていく。

上巻は、スロウハイツの住人たちの物語がゆっくりと進んでいくが、下巻では徐々に不穏な空気が。

コーキの敏腕編集者、黒木の冷淡な不気味さや、新たな住人、莉々亜のしたたかさなど嫌味な人たちは当然出てくる。そこが辻村作品の真骨頂なんだけど、この「スロウハイツの神様」は優しさが漂っている。

夢に向かって進むひたむきな姿勢だとか、友情があるがゆえにあえて言う厳しい言葉だとかか、いたわりの嘘だとか・・・。最後には全ての伏線をきっちりと回収し、できすぎでは?っていう繋がりもあるし、まさに群像劇で現実感には乏しいよなぁって思うけれど、まあそれでもいいじゃん!って思うほど、爽やかな読後感。

何と言っても、これは、壮大なラブストーリーだったんだなぁと思う。
コーキ、最高!


JUGEMテーマ:読書



辻村深月「水底フェスタ」小さく閉鎖的な村が抱える秘密と真実とは・・・!

            
評価:
辻村 深月
文藝春秋
¥ 1,500
(2011-08-24)
コメント:小さく閉鎖的な村が抱える秘密と真実とは・・・!

村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。辻村深月が描く一生に一度の恋。
「BOOK」データベースより


また手に取ってしまった、辻村深月。
今まで何冊か読んでいるけど、まだ好きな作家だ!と胸を張って言えるほどのめり込んでいない。読む度に、どうも私には合わないんじゃないか・・・?と微妙に首を傾げつつも、なお読んでしまうという不思議な作家。

この「水底フェスタ」は、私が今まで読んだ辻村作品の中では、ちょっと違うとまず思った。全ての作品を読んでいないので一概には言えないんだけど、私が読んだ辻村作品のイメージは「登場人物に全く共感できなく、嫌で不快な人たちばっかり出てきて、読むのが痛い・・・」っていうもの。でも今回は、その不快な人たちの度合いが微妙に違う気がしたんだよね。

もちろん嫌で不快な人たちは、色々出てくる。でも私は今回のストーリーが楽しめた。私はこの作品で、辻村深月の印象が少し変わった。あれ?これは、全部読まないといけないかもしれないぞ、って。私が読んでいるものはほんの一握り、それだけで判断しちゃダメなんじゃないか?って。

舞台は、ダムがある山奥の小さな田舎の村。町おこしで始めた、年に一度夏に行われるロックフェスで、有名な村となった。

この村・・・本当に閉鎖的。これ日本?って東京で生まれ育った私は唖然とするけど、たぶんこの村に近いところはたくさんあるんだろうなぁと想像がつく。東京や大阪など大きな都市からちょっと奥に行けば、地域の密着度はかなり高い。先祖代々、昔から住んでいる人たちが多く、全体の人数が少なくそして狭い町や村なら、もう何でもかんでも見られてるし知られている。

良く言えば、町や村全体が家族や親戚みたいで、困った時は助け合える親密さがある。悪く言えば、どこにでも目と耳があり確実に干渉されるという逃げ場がないところ。

主人公の広海は、その村の村長の一人息子。穏やかで音楽の趣味がよく尊敬している父親と、少々口うるさい母親、そして祖父母。先祖にも村長がいて、ほどよく裕福で大切に育てられている純粋なお坊ちゃん。

広海は、この村とこの村の人たちに嫌気がさしている。自分だけは違うんだ、という思春期特有のモヤモヤした悩み。そんな時に、村を出てモデルとなった由貴美と出会う。抗うことのできない魅力的な彼女に、どんどん惹かれていく。

そしてこの村に出てくる女たちのしたたかさ。この狭い村で生き抜くため必死に見栄を張り合う姿と、当たり前のような男たちの傲慢さ。世界のあまりにの狭さにゾッとする。

けど、もしここで生まれ育っているとしたら・・・何の疑いもなく平和に暮らしていくのかもしれない。流されるままの方が、幸せなのかもしれない。でも、それでいいのかな・・・?とも思う。

最後に、広海がした行動に希望がある。
希望なのか絶望なのか・・・。波乱の幕開けとなるだろう。

いつか続きを書いて欲しいなぁ。


JUGEMテーマ:読書



辻村深月「本日は大安なり」2012年1月、NHKでドラマ化!主演は優香!

            
評価:
辻村 深月
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2011-02-26)
コメント:2012年1月、NHKでドラマ化!主演は優香!

一世一代のたくらみを胸に秘める美人双子姉妹、クレーマー新婦に振り回されっぱなしのウェディングプランナー、大好きな叔母の結婚にフクザツな心境の男子小学生、誰にも言えない重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。憧れの高級結婚式場で、同日に行われる4つの結婚式。それぞれの思惑と事情が臨界点に達した、そのとき―。世界一幸せな一日を舞台にした、パニック・エンターテインメント長編の大傑作。
「BOOK」データベースより


2012年1月から、NHKでドラマ化される。主演は優香。

私は海外ドラマ(アメリカドラマ)が大好きでよく見てるけど、日本のドラマもよく見る。NHKのドラマもなかなか面白いものが多くて、ついつい見てるんだよね。

この「本日は大安なり」も原作を読んでいるのもあるだろうけど、読んでなかったとしてもドラマを見ちゃうんだろうなぁ。優香の演技・・・どうなんだろ?

辻村作品は、これまでに数冊読んできた。
「ツナグ」「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」「光待つ場所へ」「オーダーメイド殺人クラブ」

これでもかというぐらい自意識過剰で、全く共感できない登場人物たち。自分の心の奥深いところにしまいこんで、なるべく見ないようにしている毒々しいものをえぐり出し、ザラザラとする不快な気持ちでいっぱいになる読後感・・・っていうのが、私の中での辻村作品のイメージ。

「本日は大安なり」は、このイメージとは違って、だいぶまろやか。毒気が好きな私からすれば、拍子抜けというか爽やか過ぎというか物足りなさを感じてしまう。

結婚式場を舞台に、微笑ましくも時にホロリとくる様々な人間模様。もちろん毒がなくても辻村深月の違う一面が見られて、面白く読めた。ドラマにも期待!
 

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辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」中二という思春期真っ只中の世界へ・・・

            
評価:
辻村 深月
集英社
¥ 1,680
(2011-05-26)
コメント:中二という自分でも訳が分からない思春期と、自意識過剰真っ只中の世界へ・・・

中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方
親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。


また、辻村深月を読んでしまった。
読む度に、びみょーに好みじゃないんだよなーと思うのに、手に取ってしまう。これって好きってこと?嫌も嫌も好きのうちってこと?うーむ、分からん。

今回は、主人公が中学二年生のお話し。
「中二病」っていう言葉があるように、中学二年生というのは、思春期真っ只中、自意識過剰やコンプレックスの固まりらしい。

自分の中二を思い出してみる・・・。
確かに、あんまりいい思い出はないなぁ。あんまり記憶力がいい方じゃないから、うっすらしか覚えてないんだけど、何もかもがうまくいってなかったような気がする。

学校と家。
これだけが、自分の世界。なんて狭いんだ!

今思うと、この狭い狭い世界の中で、呻きもがき苦しんでいた。こんなこと取るに足りないことなのに、当時はそんなことに気づきもしない。だって、これだけが世界の全てだから。

どうでもいいようなことで悩み、些細なことで傷つき、親を疎ましく思っていた日々。思い出すとちょっと笑ってしまう。

と、いうような誰もが通り過ぎるような思春期を、今どき風に、より残酷により複雑にえぐり取って書かれているのがこの小説。

今回も同様、相変わらず辻村作品には共感できる登場人物は1人もいない。誰もが自意識過剰で腹立たしく息苦しくさえ思える時もある。

私が学生の時、ケイタイやインターネットなんてなかった。今は、昔よりずっとずっと便利になった分、不便になっているんだろうな、とも思う。

私は、どんな状況でも信頼し合える唯一の友達がいたからこそ、思春期を乗り越え今がある。もし、そういう友達がこの小説の主人公「アン」にもいたのなら、自分を殺して欲しいなんてバカな考えはしなかったかもしれない。でも、それがきっかけに徳川との友情?愛情?が芽生えたのだろう。

思春期が落ち着き、自分でも訳が分からない熱が冷め、少しずつ大人になった、アンと徳川の今後が、最後の一行で明るい希望となっている。

色んな作品に、登場人物がリンクする辻村作品。この2人がいつか出てくるのかなーと期待!


JUGEMテーマ:読書



辻村深月「ツナグ」人生でたった1人だけ死者に会えるとしたら、あなたは誰に会いたいですか?

            
評価:
辻村 深月
新潮社
¥ 1,575
(2010-10)
コメント:人生でたった1人だけ死者に会えるとしたら、あなたは誰に会いたいですか?


少し前、たまたま見ていた「王様のブランチ」で紹介されていた、この「ツナグ」

辻村深月・・・?
読んだことないぞ。面白そう!読んでみたい!
と思ったのにもかかわらず、すっかり忘れて数週間・・・。
ナゼかふと思い出し、おおお!これこれ!と、さっそく読んでみたよ。


ではあらすじ。

人生で、たった1人と1度だけ死者と会わせてくれる使者(ツナグ)がいる。そのツナグに辿りつけるかは3点。

その存在を知っているか。知って信じるか。そして運。

都市伝説のような噂を頼りにツナグを探し出し、死者にどうしても会いたいと切実に願う人たちの物語。

突然死したアイドルに会いたいと願う冴えないOL。
癌で亡くなった母親に会いたいと願う本家の長男。
ケンカ別れしたまま死んでしまった親友との再会を願う女子高生。
失踪した婚約者を7年も待っているサラリーマン。
そして、祖母からツナグという仕事を受け継いだ少年。

再会したからといって、全てがハッピーエンドじゃあないところが、この小説の醍醐味。なるほどこうくるか、と初めての辻村作品。この小説は結構好みかも。なかなかがきいてるぞ。

この物語、最終話の祖母と少年の話が1番好きで、泣けた泣けた・・・。
OL、長男、女子高生がまあ本当にどうしようもなくてねぇ。何度イラッときたことか。たぶん、こういうイヤな性格の人たちをあえて書いてるんだろうし、小説なのにムカつかせるってことはやっぱり書き方がうまいんだろうなぁ。まんまと踊らされたよ。もちろんいい意味で。踊らされる小説、大好きよ!

生きている人が、死者と会えるのは人生で1度。
さらに、死者が、生きてる人に会えるのも1度。

っていうルールもあるのね。だから、死者は会うことを断ることもできる。まあ断ったら小説が成り立たないから、みんな会うんだけどさ。

でもすぐ、自分だったら・・・?と、想像力が逞しい私は考えちゃう。
今すぐに会いたい人はいないけど、これから先・・・と、うだうだ考えて考えて結局誰とも会わずに死んじゃうのかなぁとか。で、もし死んで誰かが自分に会いたいと言ってくれたのに断っちゃって、その後誰も来ない・・・ってパターンになるかも〜とか。

この小説を読んで、私が感じたことは。
ツナグを切実に探すような状況にならないように、大切な人を大事にしようってことかな。
なるべく後悔しないように、伝えたいことはちゃんと伝えて、楽しく笑って過ごせるようにしたいな、って。

まあ、こう思ってはいるんだけど、現実にはなかなかね・・・。

ただ、改めてこうやって思うきっかけを作ってくれた「ツナグ」に感謝!
続編、希望します!


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