読んだ本の感想・レビューを書いてます。お気に入りの作家は、東野圭吾・よしもとばなな・伊坂幸太郎・道尾秀介などなど他にもたくさんいます♪

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  • 2013.01.17 Thursday
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  • by スポンサードリンク

西加奈子「ふくわらい」奥底にしまいこんでいた本当の思いに気付き、心の壁が崩れていく

            
評価:
西加奈子
朝日新聞出版
¥ 1,575
(2012-08-07)
コメント:奥底にしまいこんでいた本当の思いに気付き、心の壁が崩れていく

マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊び―。
「BOOK」データベースより


大好きな西加奈子だから、評価は甘いんだけど。
いやあ、これは本当に不思議っていうかグロいっていうか、変わった物語だった。きっと好き嫌いが別れるだろうなぁ。

マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、鳴木戸定。もじって名づける父親も、相当変な人というかすごい人というか。そしてその父親とさまざまな国を旅し、誰もが目を覆うような特異な体験をする。そのことから世間と自分の壁を強く感じながら、生きている。

現実にこんなことあるのかな?ってぐらい設定もすごいし、定はもちろん、登場人物たちは変で個性的なのに、みんなが愛おしい。きっとこれが西加奈子のすごさなんだろう。

心の奥底にしまいこんでいた自分。それが少しずつ開放され、本当の思いに気付き心の壁が崩れていく姿に、涙してしまった。

ここまで極端な家庭環境はそうそうない。でも、定にも他の人物たちにも共感するとこはきっと誰もがあると思う。理解できないところもあるけれど・・・。







JUGEMテーマ:読書



西加奈子「きりこについて」さらっとしてるのに、ちょっと深い。ほんわかする成長物語

            
評価:
西 加奈子
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 540
(2011-10-25)
コメント:さらっとしてるのに、ちょっと深い。ほんわかする成長物語

きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、自分がぶすだなどと思ってもみなかった。小学校の体育館の裏できりこがみつけた小さな黒猫「ラムセス2世」はたいへん賢くて、しだいに人の言葉を覚えていった。ある事件がきっかけで引きこもるようになったきりこは、ラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。夢の中で泣き叫んでいた女の子を助けるために…。猫を愛するすべての人に最新書き下ろし長編小説。
「BOOK」データベースより


この小説、お笑いコンビ“ニッチェ”のコントを思い出してしまった。
「お母さん、私、学校で変なこと言われた!みんなブスだっていうの。ねえ、どういうこと?私、可愛いんだよね?」
「そろそろあなたにも本当のことを言う時がきたわ。あなたはね、ブスなのよ!」

っていうような内容を、ぽっちゃり系の女芸人コンビがやるコント。ニッチェって面白くて、大好き!あの歌唱力と演技力が本格的?すぎて、何度見ても笑っちゃうんだよね。

この小説も、両親から可愛い可愛いと愛情いっぱいに育てられ、疑うことなくすくすくと天真爛漫に我がままに育っていった、ぶすのきりこ。そして、初めて自分がぶすだと気付いた時、部屋にひきこもってしまう・・・。

しゃべることのできる黒猫、きりこを愛してやまない両親、きりこの友達たち。きりこが自分も他人も受け入れ、外見も中身も受け入れ、少しずつ成長していく姿は笑えるやら泣けるやら。

きりこが外に出るようになってからは、あれよあれよの展開が。いやあ、こんな展開になるとは思わなかった!さらっと読めるんだけど、でもちょっと深くてほんわかする物語でした。







JUGEMテーマ:読書



西加奈子「白いしるし」暗くて危うくて歪んでいる、濃厚な恋愛小説

            
評価:
西 加奈子
新潮社
¥ 1,365
(2010-12)
コメント:暗くて危うくて歪んでいる、濃厚な恋愛小説

失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。32歳。気づいたら、恋に落ちていた。軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。恋は終わる。でも、想いは輝く。極上の失恋小説。
「BOOK」データベースより


西加奈子の書く恋愛ものは、普通じゃない。普通の恋愛っていうのがどういうものかいまいちよく分からないし、普通の恋愛をわざわざ小説で読みたいか?と言われると、それも微妙だけど・・・。

さらりとした文章と、心地よい大阪弁の会話。なのに、内容は濃厚でものすごく歪んでいる。でも恋愛なんてそもそも歪むことなのかも。

抗うこともできないほど、どうしようもなくのめり込む恋愛。ここまで没頭できる恋愛は、私はしてこなかったなぁ。とはいえ、登場人物ほどじゃないけど、やっぱり恋愛は多少なりとも人を狂わせる。だから全部とは言わないけど、少しでも誰かしらに共感できるところは、きっとあるだろう。

暗くて危うくて歪んでいるのに、愛おしく感じてしまう登場人物たち。
富士山の絵、見たいな!







JUGEMテーマ:読書



西加奈子「しずく」元気で前向きな気持ちになれる“女ふたり”の短編集

            
評価:
西 加奈子
光文社
---
(2007-04-20)
コメント:元気で前向きな気持ちになれる“女ふたり”の短編集

恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔とご機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり…。ふたりのやり取りを、可笑しく、そして切なさをこめて描く「木蓮」。恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った二匹の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。ほか、日だまりのように温かい「女ふたり」の六つの物語。
「BOOK」データベースより


独立した6つの短編集。でも全て「女ふたり」がテーマの物語となっている。

女同士というものは、時にはなかなか難しいものだったりする。女なら、こういう面倒くささというか、それを越えた楽しさというものを誰もがきっと一度ぐらいは経験しているはず。

そんな何気ない出来事が、さらっと書かれている。このベタつきのなさがとても爽やかで、元気になるような、気持ちが軽やかになるような、とても清々しい読後感。

私が特に好きだった短編は、2つ。

幼馴染との久しぶりの出会いを描いた「ランドセル」
子供のような母親としっかり者の娘を描いた「シャワーキャップ」

いやあ「シャワーキャップ」には泣かされてしまった。ところどころに、笑いがあるのも西加奈子らしくて大好き。

すっごい事件が起こるわけでも、ハラハラドキドキの展開になるわけでもないんだけど、じんわりとしたいい本だったなぁ。







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西加奈子「円卓」幸せに反発する、偏屈で口が悪いけど優しい琴子の成長物語!

            
評価:
西 加奈子
文藝春秋
¥ 1,300
(2011-03-05)
コメント:幸せに反発する、偏屈で口が悪いけど優しい琴子の成長物語!

世間の“当然”に立ち止まり、悩み考え成長する物語。うるさいぼけ。なにがおもろいねん。平凡やしあわせに反発する琴子、小学3年生。好きな言葉は、「孤独」。
「BOOK」データベースより


やっぱり私は西加奈子が好きみたい。
くらーいのもいいけど、こういう明るくてちょっと切ない・・・っていう絶妙さ加減がね、たまらんのよ。

主人公は、小学校3年生の琴子。この琴子が可愛い顔して、こてこての大阪弁で、口が悪い悪い。それがまた大爆笑!

西加奈子が書く大阪弁って、どうしてすんなり頭に入ってくるのかなぁって不思議に思う。読んでいるのに音で聞こえるっていうの?会話のテンポがよくてね、すぐそばでしゃべっているのを聞いているような自然な感覚で読める。

孤独を切望する琴子なのに、琴子のまわりは騒がしい。
三つ子の姉、両親、父方の祖父母との総勢8人家族。居間には、どでかい真っ赤な円卓が。わいわいがやがや、みんな明るくて仲良くて何とも騒々しく幸せいっぱいの家族。

だからこそ孤独に憧れるのか。
孤独、眼帯、不整脈、吃音・・・。どれもが全て、琴子の憧れ。純粋に格好いいと思っていて、自分もそうなりたい!と真剣に願っている。

確かに、子供の頃って眼帯とかギブスとかにどよめいたよなぁ。でも実際は、ただただ鬱陶しくて辛いだけなんだけど。ある意味、純粋すぎてまっすぐな琴子。そんな琴子と同類?のような、お祖父ちゃん。そして親友の男の子、ぽっさん。このぽっさんがね、最高!もう大好き!

そして少しずつ大人になっていく琴子。口は悪くても、優しい琴子。濃いキャラの登場人物たちに、笑いながら、そして泣きながら楽しい作品でした!







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西加奈子「窓の魚」透明感と歪み。どんよりと暗い、ぞわりとする物語

            
評価:
西 加奈子
新潮社
¥ 420
(2010-12)
コメント:透明感と歪み。どんよりと暗い、ぞわりとする物語

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される―恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。
「BOOK」データベースより


暗い・・・実に暗い・・・。
川がすぐ近くに流れる風情のある温泉宿に、2組の恋人たちが訪れる。旅行のはずが、誰も楽しんでいる様子もない。どんよりと不穏でちぐはぐな空気が、全体的に漂っている。

私の西加奈子イメージは、どうしようもない人たちだけど、何となくあったかく少しの希望があり笑えるっていう感じ。

なのにこの小説は、笑いもなければ希望も救いもない。ただただ、ぞわりとするばかり。

恋人たち4人、それぞれの視点から語られる。この4人、誰もがみんな歪んでいる。共感できる人が1人もいないし、相手を求めつつも結局のところ、誰もが自分のことしか見ていないところが薄ら寒い。

自分の歪みを分かっていながら、むしろその歪みを愛でているかような不快さが、じわじわとねっとりと伝わってくる。透明感のある描写なのに、なんとも不気味な作品。

西加奈子って、こういうのも書くのね。残酷で歪んでるの嫌いじゃないけど、やっぱり私は、笑いと救いが欲しいなぁ!







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西加奈子「通天閣」どうしようもない冴えない毎日の中に、ささやかな光を灯す絶望と再生の物語

            
評価:
西 加奈子
筑摩書房
¥ 609
(2009-12-09)
コメント:どうしようもない冴えない毎日の中に、ささやかな光を灯す絶望と再生の物語

どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。
「BOOK」データベースより


「きいろいゾウ」 (感想はこちら)、映画化が決定!
ツマさんが宮あおい、ムコさんが向井理だって。おおお、どっちも好き!素晴らしい配役だわ!

ツマさんの天真爛漫さは、宮あおいちゃんにぴったりだよね。ムコさんのイメージはもうちょっと不器用で無骨な感じ?だったんだけど、きっと向井くんが上手に演じてくれるでしょう。公開は2013年。どんな風になるのか楽しみ〜!


さて、今回は「通天閣」
前半は、ゆっくり(だらだら?)と進んでいく。いまいち冴えない中年男と、いまいち冴えない若い女。どんよりと暗くなるような二人の日常。西加奈子はこういう悲哀に満ちたっていうか、どうしようもない人たちを書くのが巧いよね。でもそこに愛が見える。だから私は好きなんだなぁと思う。

後半からテンポアップして、中年男と若い女の物語が絡み合い、繋がっていく。前半のまったり感からは想像できないぐらい、最後は爆笑!そして涙・・・。こう思うと、やっぱり前半部分も必要だったのね。

登場人物も、個性豊かっていうか変な人たちばっかりで、それも面白い。みんなそれぞれしょーもなくてね。ぱっとしない感、満載!でもそれがまたいいんだよね。終わり方もよくて、どうしようもない毎日でも頑張ってみるかぁと、ちょっと元気になれる小説でした。







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西加奈子「きいろいゾウ」奇跡の出会いで絆を深めていく夫婦の成長物語

            
評価:
西 加奈子
小学館
¥ 690
(2008-03-06)
コメント:奇跡の出会いで絆を深めていく夫婦の成長物語


その昔。少女は、病室できいろいゾウと出会った。青年は、飛ばない鳥を背中に刻んだ。月日は流れ、都会に住む一組の若い夫婦が、田舎の村にやってきた。妻の名前は、妻利愛子。夫の名前は武辜歩。ツマ、ムコさんと呼び合う、仲のよいふたりだった。物語が、いま、はじまる。最新にして最深の、恋愛長編小説。
「BOOK」データベースより


東京から、田舎に引っ越してきた夫婦「ムコ」さんと「ツマ」さん。二人の仲むつまじい生活がゆったりと綴られていく。ムコさんは小説を書くかたわら老人ホームで働き、人よりも心臓の小さいツマさんは、動物や植物と話しができ・・・とファンタジー色もありつつ、ちょっと不思議な感じで物語は進んでいく。

近所の人たちや動物たちが遊びに来たり、登校拒否の孫が祖父母に預けられに来たり、虫が部屋に迷い込んだり、ほのぼのとしながらもにぎやかな田舎の生活。

ムコさんとツマさんは、仲がいい。
でもどちらとも、きちんと大人になりきれていないというか、地に足がついているようでついていないような、何となく心もとない感じが、中盤ぐらいまで続いていく。お互いが好き合って信頼し合っているのに、薄氷の上をそうっと歩いているような、いつバランスを崩してもおかしくないような危うい感じが、読んでて切なくてね。心が、しんしんと落ち込んでいった。

ゆっくりした展開は、後半でスピードアップしていく。ムコさんとツマさんは、別々の場所で、でもしっかり絆で結ばれながら、自分の足でちゃんと立ち前に進む。よかった、これでもう二人は大丈夫だろう。

とてもいい終わり方だったし、また泣いてしまった。
しっかし、孫の大地くんがステキすぎ!成長が楽しみ!

 
絵本もあるのね〜



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西加奈子「さくら」幸せから絶望へ。絆と希望を犬が繋ぐ家族の物語

            
評価:
西 加奈子
小学館
¥ 630
(2007-12-04)
コメント:幸せから絶望へ。絆と希望を犬が繋ぐ家族の物語

飼い犬サクラと大学生の僕、父さん、母さん、妹のミキ。あるちっぽけな家族に起こったひとつの奇蹟が、ある美しいひとつの曲を、強く、やさしく立ち上げる。
「BOOK」データベースより


どんどん読んでいこうと思っている、西加奈子。
今回も笑い、そして泣かされてしまった。でも「漁港の肉子ちゃん」ほどのインパクトはない。

「さくら」はデビューから2作目、「漁港の肉子ちゃん」は14作目。

そう思うと、まあ私なんかに偉そうに言われたくないことは重々承知なんだけど、でもうまくなったなーと成長がビシビシ感じられる。笑いのツボとか人間の描き方とかそういう根本的な芯は変わってないんだけど、文章の研ぎ澄まされ方が歴然としてるかな。って、ほんと私に言われたくないよね!でも、この2作を読み比べてみたら、私の言ってることが分かるはず!

マジメで働き者の父と綺麗な母。小さい頃から人気者で、スーパースターの兄と、誰もが振り向く超美人の妹に挟まれたひょろっとした平凡な次男の僕が、まるで絵に描いたような幸せな家庭を丁寧にゆっくりと語る。

家族はみんな仲が良く、両親の溢れる愛情をたっぷりと受けて、子供たちは素直に育つ。そして家で飼うことになった犬の「サクラ」も何とも可愛らしい。

と、2/3ぐらいまでは、平和で幸せいっぱいな家庭なんだけど、がらりと変えてしまう事件が起きてしまう。きつかったな・・・。こういう展開になるのは小説とはいえ、私は残念でならない。お兄ちゃん、頑張れなかったのかな・・・と思う。落差がありすぎたからか、でも、あれだけ最強の家族がいるのに、と本当に残念。そしてバラバラになった家族を犬の「サクラ」が和ませる。ううう、ますます犬が飼いたくなってしまったよ!

幸せな時と、絶望の時。
家族の絆を復活させ、希望に導いたのは家族である犬の「サクラ」だった。きっとこれからこの家族は苦しくても前に向かって進んで行くだろう。



さくら繋がりということで・・・




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西加奈子「漁港の肉子ちゃん」爆笑、そして号泣。これは間違いなく名作!

            
評価:
西 加奈子
幻冬舎
¥ 1,470
(2011-09)
コメント:爆笑、そして号泣。これは間違いなく名作!

みんな、それぞれで生きている。それでいい。圧倒的な肯定を綴る、西加奈子の柔らかで強靱な最新長編。
「BOOK」データベースより


こりゃあ、まいった!
声を出して笑い、そして笑いながらの号泣へ・・・。とんだ名作を読んでしまったよ!

そもそも、この小説をトイレに置いたことが間違いだった。ほんの2ページ目で吹き出し、読み進めるごとにツボにはまり、夜中のトイレで響く私の笑い声・・・。怖いよー。

ということで早々とトイレから引き上げ、腰をすえて・・・というより貪るように読んでしまった。


丸々と太った体から、“肉子”と呼ばれる菊子、38歳。
ほっそりと可愛らしい、肉子の娘の喜久子、小学校5年生。

この肉子は、しょっちゅうろくでもない男に騙され、何度も何度も懲りずに騙され続け、各地を転々としている。いなくなった男を捜し北陸の漁港へやってきたものの、肝心の男はいない・・・。が、焼肉屋の主人に気に入られ母と娘は漁港の町に住むこととなる。

大人びて冷静な娘の喜久子(キクりん)の目線で、物語は進んでいく。母親である肉子ちゃんの、ダサさとかセンスのかけらもないところとか不細工で空気が読めないところとかを、淡々と語るキクりんがもう絶妙な面白さ。どっちが親?っていうぐらい。

でも、この肉子ちゃんは、天真爛漫で人を疑うことを知らない。まわりのみんなを笑顔にさせ、優しくて底抜けに明るくて逞しい。

正反対の母と娘は、でもお互いを信じきり、お互いの愛情をひしひしと感じることができる。

そして物語の終盤では、あれよあれよと展開が早まり、一気に読ませる。号泣しながら笑いながら読んだ。読み終わった後も、じーんと余韻が残っていて、色んな場面を思い出してまた泣いたりした。

肉子ちゃんは素晴らしい。
そして肉子ちゃんを作り出した西加奈子はもっと素晴らしい。

西加奈子の小説、どんどん読んでいこうと思います!








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