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  • 2013.01.17 Thursday
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山田詠美「ジェントルマン」狂おしいほど歪んだ、濃厚で究極の偏愛の世界へ・・・!

            
評価:
山田 詠美
講談社
¥ 1,470
(2011-11-26)
コメント:狂おしいほど歪んだ、濃厚で究極の偏愛の世界へ・・・!

眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体―紛うことなき、犯罪者。誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった―。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが…。比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。
「BOOK」データベースより


よしもとばななと同じく、敬愛している山田詠美の新作が読めるだけで私はこのうえなく嬉しい。「蝶々の纏足・風葬の教室」「ぼくは勉強ができない」は何度も何度も読み返しているほど好きな小説。これは名作!

今回の「ジェントルマン」
山田詠美の全ての小説を読んでいるけど、これほどまでに残酷なものはかつてあっただろうか。残酷だけど甘美・・・、こんな高等術ができるのは山田詠美だからだと思う。

ジェントルマンの漱太郎の表と裏の顔の恐ろしさ。
その残酷な漱太郎を崇拝して愛し「告解の奴隷」となった夢生。

どっちも果てしなく歪んでいる・・・。
そしてこの歪みこそが、人を惹きつけてやまないのもなのか?

一切のムダがない山田詠美ならではの絶妙な表現力と逸脱した比喩で、罪すらも美しいものに思えてしまう。こんなにも濃密な物語を、このページ数で完璧におさめるのはすごい。ピンと張り詰めた緊張感の中、だれることなくぐいぐいと物語の世界に引きずり込んでいくのは、本当にさすが。

今回の「ジェントルマン」は残酷で悲しく衝撃的な内容だから、万人受けはきっとしない。軽くて派手で分かりやすいエンタメ的なものでもない。でもやっぱり私は山田詠美の書くものが大好きなんだなぁ。

狂おしいほどの歪んだ愛情、濃厚でずっしりくる究極の偏愛、悲しさと切なさ、弱さや脆さ、そして恐ろしい残酷さ。もしかしたら誰もが少しは自分の中に持っているものなのかもしれない・・・。


JUGEMテーマ:読書 



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