読んだ本の感想・レビューを書いてます。お気に入りの作家は、東野圭吾・よしもとばなな・伊坂幸太郎・道尾秀介などなど他にもたくさんいます♪

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  • 2013.01.17 Thursday
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  • by スポンサードリンク

伊坂幸太郎「PK」こだわりとたくらみの未来三部作!

            
PK
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,260
(2012-03-08)
コメント:こだわりとたくらみの未来三部作!

その決断が未来を変える。連鎖して、三つの世界を変動させる。こだわりとたくらみに満ちた三中篇を貫く、伊坂幸太郎が見ている未来とは―。未来三部作。
「BOOK」データベースより


中篇「PK」「超人」「密使」からなる、未来三部作。
こだわって、たくらんで、そうやって書いてあるんだろうとは分かる。ただ私の読解力では、きっと意図されたものが半分も分かってないんだろうな、とも思う。時空を越えると途端に混乱するからね、私。

微妙につながり連鎖している、この三篇。
印象的なセリフやら、ニヤリとしてしまうことなど、伊坂節は健在なんだけど、全体的にいまいち分かりにくい感じ。

まあ、私個人としては、分かりやすい方が好きだけど、こういうのもまたいいのかも・・・?







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伊坂幸太郎「マリアビートル」新幹線で繰り広げられる、殺し屋たちの協奏曲

            
評価:
伊坂 幸太郎
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680
(2010-09-23)
コメント:新幹線で繰り広げられる、殺し屋たちの協奏曲

元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。
「BOOK」データベースより


「グラスホッパー」の続編のようなこの小説。

息子の復讐を企てる元殺し屋、木村。
冷酷非道のくそ生意気な中学生、王子。
腕利き?の二人組、蜜柑と檸檬。
全ての運から見放されている殺し屋、七尾。

こんな訳ありで物騒な人たちが勢揃いする新幹線・・・怖すぎるよ〜。といいつつ、何だかそこまで物騒に感じない爽やかさというか、すっとぼけた感じというか。みんながみんな、飄々としているところが、伊坂さんらしいよね。

相変わらず、さくさくと読める文章だし、物騒な人たちはむしろ大好きな私なのに、この小説はなかなかページが進まなかった・・・。何でだろ?

さらっとしてるのに、ばんばん人は死ぬし、これぞ伊坂作品!って絶賛されているみたいだけど、うーむ、どうかな。面白かったんだけど、絶賛!って訳でもないのかなぁ、と。まだまだ私は真の伊坂ファンではないのかも・・・?

何より、木村の両親が格好よかった〜!







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伊坂幸太郎「オー!ファーザー」4人の父親が、息子のために一致団結!

            
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 1,680
(2010-03)
コメント:4人の父親が、息子のために一致団結!

みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。そんなのは珍しくない?いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、みんなどこか変わっていて。俺は普通の高校生で、ごく普通に生活していたいだけなのに。そして、今回、変な事件に巻き込まれて―。
「BOOK」データベースより


何より、素晴らしい!って思うのは、お母さんの知代さん。
4股をかける時点で、ひどい女!って思う人も多いかもしれないけど、4人の男たちは、その事実を受け入れ誰もが自分の息子だと信じて、みんなで一緒に暮らしている。なんてすごいんだ!そして、留守を4人の父親にすっかり任せ、ほとんどこの物語に登場しないお母さん。格好よすぎる!

インテリ、女好き、博打好き、体育会系・・・と、4人の父親はそれぞれに得意分野が違い個性的。好みも性格も違うのに、唯一共通しているのは、知代さんへの愛は当然ながら、息子への猛烈な愛。

誰の息子かはっきりと分かるDNA検査を頑なに拒み、誰もが自分と息子だと信じ、似ているところ見つけては喜び、うざったいぐらい干渉している。

そのうざったさを面倒くさいなぁと感じながらも、4人の父親たちが好きで、そしてそれぞれから影響を多大に受けている息子の由紀夫。頭がよく、女子の扱いがうまく、ケンカも強い・・・なんて、そりゃあモテるよね。

血が繋がってなくったって、4人の父親たちから色んなものをしっかりと受け継ぎ、家族として仲良く一緒に暮らしている。こういうのって、伊坂さんの真骨だよね。

息子のピンチに一致団結する父親たち。伏線の回収もみごとだし、するすると楽しく読める。そして、父親と息子、家族の愛みたいなものに、じーんと泣けてしまいました。







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伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」理不尽なお別れに、ムリヤリ笑ってバイバイと言おう

            
評価:
伊坂 幸太郎
双葉社
¥ 1,470
(2010-06-30)
コメント:理不尽なお別れに、ムリヤリ笑ってバイバイと言おう

太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。
「BOOK」データベースより


2週間後に「あるバス」に乗せられてどこかに連れて行かれることが決まっている、星野一彦。「あるバス」の行きつく先は、どんな場所かそこで何をするのかすら分からない。人間として帰って来れないほど凄まじい所らしい。おー、こわこわ!

で、星野一彦をバスに乗せるまでの間の見張り役、巨大で横暴で怪物みたいな繭美。この、繭美がいいのよねぇ〜、私は、かなりツボだったよ。

なんと5股中!の星野は、バスに乗るまでの2週間で、彼女たち5人にお別れを言いに行く。もちろん繭美はぴったりと側にいて、暴言や暴挙を繰り広げる。

星野は、優しいっていうか、純粋っていうか、計算できない男で。5人の彼女たちみんなを真剣にそれぞれ好きでいる。誠実なんだか、どうなんだか?でも何となく憎めない。真面目なんだけどどっか気が抜けてるっていうか、飄々として掴みどころがない感じなんだけど、軽いわけでもなく。繭美と、彼女たちとの掛け合い、そして雰囲気が、伊坂ワールドなんだなぁとにんまり。

5人目のお別れで、泣いてしまった。そして、最後の繭美に完敗!
もうちょっと書いてくれたっていいのにー、と憎らしいところで終わってしまう。全てうまくいった・・・!と、信じよう。







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伊坂幸太郎「SOSの猿」因果関係と孫悟空。この物語が誰かを救う!

            
評価:
伊坂 幸太郎
中央公論新社
¥ 1,575
(2009-11-26)
コメント:因果関係と孫悟空。この物語が誰かを救う!

ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空―救いの物語をつくるのは、彼ら。
「BOOK」データベースより


題材的なものは全然違うんだけど、なんとなく「あるキング」と似たようなテイストっていう感じ。こういうのも、私は結構好き。なんせ、かなりの伊坂びいきだからねー。

あ、これはマンガとコラボしてるのね。



どうやら両方読むとより面白く理解できるらしい。気になるなぁ!マンガも読んでみようかな!


イタリアで悪魔祓いを習ってきた青年、遠藤二郎。
株システムトラブルの原因を調査する真面目すぎる、五十嵐真。

この2人の物語が交互に綴られていく。

この遠藤くんがさ、優しいんだわ。困ってる人を見ると助けてあげたいと常に思っている。でも困ってる人は膨大にいるし、当然ながら全員を助けてあげることは不可能だし、そんな自分を不甲斐なく思いつつ悲しみ嘆いている。

そして五十嵐真といえば、もう冗談も言わないぐらいクソ真面目。全ての因果関係を調べ尽くさないと気がすまない。

この2人と孫悟空が絡み合い、ミステリーでもありファンタジーでもある物語。孫悟空をもっとよく知ってたら、より楽しめたのかな?でも、私のようにドラマでうっすら知っている程度でも全く問題なしだけどね。

「あるキング」でもそうだったけど、がっつりとしたミステリーじゃない。そういうのを期待して読むと、あれ?って思うかも。はっきりすっきりっていう展開でもないし、分かったような分からないような。

でも、何て言うのかな、あったかい物語だなぁと私は思う。
遠藤二郎ほど、困っている他人のことを助けたい!っていう優しく繊細な性格じゃないし、五十嵐真みたいにどこまでも原因を追求するような真面目な性格でもない。でも、ちょっとずつ似てるというか、理解できるところがある。

物語は人を幸せにするとか、善と悪が混在しているとか、くよくよしているところを見せたってしょうがないとか、そういうところが、やっぱり共感しちゃうし読んでて嬉しいなぁと思うのです。



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伊坂幸太郎「あるキング」人生の全てを野球に捧げ、王となった男の物語

            
評価:
伊坂 幸太郎
徳間書店
¥ 1,260
(2009-08-26)
コメント:人生の全てを野球に捧げ、王となった男の物語

弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。すべては「王」になるために―。人気作家の新たなるファンタジーワールド。
「BOOK」データベースより


伊坂幸太郎曰く、今作は「誰も読んだことのないような伝記を書いてみました」とのこと。確かに・・・いつもとちょっと違うような?

熱烈な仙醍キングスのファンである両親の元に生まれた「王求(おうく)」の伝記のようなもの。人生を野球に捧げ「王」となっていく。それはおそらく生まれた時からの運命だったのだろう。

王求は孤独だ・・・。王だから。
この小説全体に漂う、なんとも言えない悲しさ。どんなにホームランを打っても王求は大喜びもしないし、敬遠されても憤慨しない。淡々と日々の練習をこなし研究し反省する、野球漬けの毎日。


私は幼い頃、父親がテレビでプロ野球中継を見ていると、いったい何が面白いのか?と思っていた。投げて打って走って・・・、長い長い試合時間。よくもまあ飽きずに見てるよなぁと思っていた。

でも学生の頃、あるプロ野球チームのファンになった。きっかけは、そのチームにいる、ある投手の顔が好みだったから。それからはもう必死でルールを覚え、プロ野球ニュースをはしごした。奇跡的に同じチームが好きな女友達が1人いて、一緒にメガホンを持って応援しに球場へ通った。

何でもそうだろうけど、テレビで見るのと実際に見るのとは雲泥の差がある。選手たちの大きな体、バットやミットに当たる球の音、綺麗な緑色の芝生と茶色の土、決して満員にはならなかったけど、声を張り上げ手を叩き足を鳴らす外野応援席の一体感と空気。

夢中になってたのは、2〜3年ぐらいだったのかな。今じゃもう全く見ないし、そのチームにいる選手もさっぱり分からない。でも、一時期でもそうやって野球観戦にどっぷりつかったことがあるから、よく分かる。

強くもなく注目もされていないチームのファンになったことのある私は、この小説の中の、仙醍キングスファンの気持ちが、野球というものの雰囲気がとてもよく分かってしまうのだ。だから私はすぐにこの世界に入り込むことができたけど、きっと野球に全く興味もなく、ルールさえ知らない人にとっては、この小説は微妙なんだろうなぁ。

何て言ったって、もう最初の数ページ、南雲監督の簡単な生い立ちあたりで思わず泣いてしまったからね。しかも電車の中で!ああ、恥ずかしい。きっとこんなところで泣く人なんて誰もいないんだろうなぁ。

この小説は、全体を通して悲しい。そして最後も悲しい。
でも、「王」は途切れることなく、おそらく永遠に継承されていくのだろう・・・。

今回は、感想なんだか思い出なんだか?久しぶりに、昔のことを思い出してしまったよ。そういうのも懐かしくて楽しいよね。







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伊坂幸太郎「モダンタイムス」勇気はあるか?検索から監視が始まる!

            
評価:
伊坂 幸太郎
講談社
¥ 1,785
(2008-10-15)
コメント:勇気はあるか?検索から監視が始まる!

恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。
「BOOK」データベースより


今作は「魔王」から50年後が舞台となっている。おおお、と懐かしい顔ぶれが出てきてちょっと楽しい。

「魔王」を読んだ時も感想を書くのが難しかった。そして続編のこの「モダンタイムス」もやっぱり難しい・・・。読み終わってから何日経ってしまったことか。

前作は「考えろ考えろ」、今作は「勇気はあるか」
勇気・・・なかなかないよなぁ、びびりだしなぁ、私。

この「モダンタイムス」と「ゴールデンスランバー」は並行して書いていたようで、二卵性の双生児に似ていると、あとがきに書いてある。国家権力とか社会のシステムとか、はっきりと目に見えない巨大なものと戦うところが、なんとなく似てるなぁと思いながら読んでいたから、あとがきを読んで納得。

この物語の難しくも恐ろしいところは、この人が悪人です!っていう簡単な話しじゃないところ。組織、システム・・・知らないうちに気付かないうちに、いつの間にか組み込まれてしまっているということ。こういうのって、現実でもきっとたくさんあることで、でもそれってなんか怖いよね。

組織やシステムが悪いわけじゃない。でも何の疑問も持たずに、言われるがまま突き進むことは本当に正しいことなのか?そんな漠然とした恐怖や不安みたいなのを抱えつつ、この分厚い小説を読み終えた。

感動!涙!っていう物語じゃなく、じんわりと後から効いてくるっていうか、小説なんだけど現実にも置き換えられるっていう恐さっていうのを考えさせられる小説だった。

すっきりはっきりしない終わり方だけど、希望は持てた。きっと世界はこうやって延々と続いていくんだろう。世界を変えよう、社会を変えよう、とかそういう大きなことは私にはできない。ただ、ほんの小さい自分のまわりだけでも、きれいにすることを心がけようと思う。

しっかし、奥さんはいったい何者だったんだろう?

この作品の中の「検索するとえらい目に遭う」っていう言葉・・・3つ並べて検索しちゃったよ。そりゃあさ、検索したくなるもん。えらい目には今のところ遭ってないんんだけど、面白いものが見つかったよ!やりよるねぇ〜。







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伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」陰謀と冤罪、そして友情と仲間の物語!

            
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 1,680
(2007-11-29)
コメント:陰謀と冤罪、そして友情と仲間の物語!

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
「内容紹介」より


2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞受賞作品。
タイトルでも引用されているように、作中にもビートルズが出てきたりする。私はビートルズ全然詳しくないんだけどね・・・。

ナゼか首相暗殺の犯人に仕立て上げられ、警察から逃げる青柳雅春。それはそれは用意周到な計画で、もう国家vs個人ってな具合の、勝ち目なしの冤罪。巧妙に作られたニセの証拠は次々と出てきて、それがまた疑いようもない完璧さ。どうなる、青柳雅春!

というような、逃亡劇が繰り広げられるこの小説。

で、読み終わった後、すぐに映画も見た。

だいたい、映像化は微妙になることが多い。でもこの「ゴールデンスランバー」の映画化は大成功だと思う。私の大好きな堺雅人が、主人公ってのもよかったし、他のキャストもみんなよかった。私は、小説よりも映画の方が泣いてしまったよ。

まあ当然、時間の都合で原作の全てが詰め込まれているわけじゃないし、設定も少しずつ変更されたりしている。でも大事なところはちゃんと使われていたし、私の好きなシーンもしっかり映画に組み込まれていて、嬉しいかぎり。青柳雅春のお父さん、最高!

この小説も映画も、結局のところ全てがはっきりくっきりするわけじゃない。ミステリ?ファンタジー?サスペンス?うーむ、どの要素もあるけれどそれを期待してると、あれ?これで終わり?!と納得できない人も多いはず。だからあえて私はこれを「友情と仲間」の物語だと言いたい。

自分が、濡れ衣で犯罪者となり指名手配されている時、誰が信じてくれるだろう?そして、誰を信じることができるだろう?

見たものや聞いたもの、そして匂い。些細なことがきっかけで、ふと昔の記憶がよみがえることがきっと誰にでもある。そんな小さなことが積み重なって進んで行くこの物語に、私はじーんときてしまったのでした。


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伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」初めて読む人もファンも楽しめる、さらっとしながらもちょっと深い短編集!

            
評価:
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 578
(2009-11-28)
コメント:初めて読む人もファンも楽しめる、さらっとしながらもちょっと深い短編集!

「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が時空を越えて奇蹟を起こす。デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
「BOOK」データベースより


伊坂幸太郎の独立した短編集。
お馴染みの登場人物が出てきたり、ファンとしてはニヤリとする感じ。でも記憶力の衰えが著しい私は、あれ?これ誰だっけか?とか、もしやこの人も・・・?とか、頭の中でぐるぐると考えながら読み進めた。私の大好きな、泥棒兼探偵の黒澤が出てきたのが嬉しかった!

といっても、伊坂幸太郎作品を初めて読む人でも充分に楽しめるし、さらっと気軽に読める短編になっている。

私が好きだったのは、「フィッシュストーリー」と「ポテチ」

「フィッシュストーリー」みたいな話しは、なんか夢がある。そりゃ小説なんだけど、でももしかしたらこういうことってあるかもしれないって思う、というより思いたい。自分がしたことが、めぐりめぐって誰かにいい影響をほんの少しでも与えられてればいいなぁと思ったりする。

そして「ポテチ」
おそらく伊坂幸太郎が書き続けているもの、軸の1つとなっているようなものが、短く明るく書かれている。お母さんがとてもよかった。切ないところもいっぱいあるお話しなんだけど、でもこのお母さんだったら、きっと皮肉をばんばん言いながら笑い飛ばしてくれるだろう。

伊坂幸太郎の作品には、色んな登場人物がリンクしている。とっかかりは、こういうさらっとした短編から、そしてじっくりとした長編を読む・・・っていうパターンもありだよね!






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伊坂幸太郎「終末のフール」地球が滅亡に向かう時、どのように生きるだろう?

            
評価:
伊坂 幸太郎
集英社
¥ 660
(2009-06-26)
コメント:地球が滅亡に向かう時、どのように生きるだろう?

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
「BOOK」データベースより


何だか久しぶりに伊坂幸太郎を読んだ気がする。ちょっと間隔があいただけでもう懐かしく感じ、読んでいる間は嬉しさがこみ上げて文章が胸に染み渡る・・・これは、中毒の症状?やっぱり私は、伊坂幸太郎の書く小説が好きなんだなぁと思う。

この「終末のフール」は、地球が滅亡する・・・と言われる三年前のお話し。予告された当初のパニック状態から、小康状態の今。暴動などで家族やまわりの人たちを亡くしたりしながらも、何とか懸命に生きていく人たちが書かれている。

苦悩と葛藤の末に生きていく人、決死の覚悟で復讐をしようとする人、地球の滅亡にどこかホッとし楽しんで生きている人・・・。さまざまな事情を抱えた登場人物が少しずつ重なり、連作のような短編集。悲しいのに希望があり、泣きながら読んだ・・・。

私は、自分が死ぬということにあまり恐怖心はない。
むしろ、私が大切に思っている人たちが死んでしまう方がずっとずっと恐怖を感じる。

でも、私が大切な人を考えるように、私のことを大切に思ってくれている人もいる。両親や家族や親戚、そして友達。そういう人たちがいることを知っているし、悲しませたくない。だから苦しかったり辛かったりすることがあっても、どんなに大変でも私は懸命に生きようと決めている。

この小説の設定のように、あと八年で地球が滅亡する・・・
ということを現実だと想像してみる。

殺したいほど恨んでいる人なんていないし、混乱のどさくさに犯罪を犯してみようとも思わない。八年後の滅亡を悲嘆して自殺するなんて全くもって考えられないし、もし妊娠したら間違いなく産む。

きっと八年なんてあっという間だ。
その貴重な八年を、普段の毎日と変わらず過ごすだろう。食べたり笑ったりしながら、みんなで仲良く楽しく過ごしたいと思うだろう。

伊坂幸太郎もそう思っているからこそ、滅亡に向かいながらも希望があるこの小説を書いたんだと、そう私は勝手に思い込んでいるのです。







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